父の手帳
父の手帳
父の葬儀も終わり、遺品の整理をしていた兄が突然、「お前、この前親父と
旅行行ったとき、ホテルで変なビデオ見たんだろ?」
えっ 何のこと ビデオって えっ 僕は 一瞬何の事か解からず考えてし
まいました。
そういえば父がなくなる半年程前、父の2週間のヨーロッパへの海外出張
に母が付いていく話を聞き、なにを考えたのか、ぼく連れていってくれとお願
いしたのです。
今考えてみても、自分が、なぜそんな事を言ったのか思い出せません。
でも多分、そう言っても父は堅物を絵に描いたような人で、ダメというのは
解かっていたので冗談半分に言ったのかもしれません。
あの頃を思い出して見ると、長年付き合った彼女と結婚を目前に別れて
しまった時期で、すべてからから逃げ出したかったのかも......
しかし、ダメと言うはずの父が、「おまえの仕事が休めるならいいぞ」っと
そして当時の上司は非常に理解のある方で快くOKしていただき、
幸運が重なり、僕は初めて海外旅行の出発となったのでした。
フランフルとの空港に着いた時には結構ふらふらで、ホテルへ行った
のですが、時差ぼけで寝れないし、当時はまだ、衛星でNHKが
見れる時代ではなかったので、ドイツ語の解からない番組と格闘
しているうちに、どうやら有料番組を見てしまったらしく、翌日チェック
アウトの時、親父にクレジットカード持ちながら、笑いながら「明日から
は自分でチェックアウトしろよ、」
と笑いながら、言われた事があったのを思い出しました。
でも何で今更兄貴が知ってるんだろう?
親父は旅行から帰ってきてしばらくて、倒れて、千葉に住む兄貴
は親父と話す時間、あんまりなかったような気が.....
兄貴に問いただしてみると、
「親父の手帳に書いてあったよ、お前の旅行中の事事細かに書いて
あったよ」と兄が。
僕は以前から、親父は仕事柄メモも残す習慣があったので「几帳面
な親父も困りものだな」、少しの恥ずかしさもあり、そんな風に思った
記憶があります。
しかしながら、今、自分も40代の声を聴くと自分の記憶力の低下に
驚かされる毎日であります。
昨日起きたこと、おととい起きた事、思い出そうと思っても、重要事項
でない限り、なかなか思い出せない。
しかも、いろいろが思い出せないので、一日、一ヶ月、一年と流れる時間
の早さが以前よりなおさらに早く感じる。
大切な事がさえ忘れて、他人に言われてもなんとなく覚えているけど
ぼやけてて思い出せない事もあります
私もこの年になってよく考えてみると、親父はその時は気づいてなかった
訳ですが、病の体を引きずって、はじめて海外旅行の息子と母を連れて、
ましてや本人は仕事を片付けながらですから、毎日どんなに疲れていた
ことでしょう.....
メモの記入もどんなに辛かったことでしょう
多分、親父は旅行中、毎日眠りに付く前に、疲れた体で、僕の一日を
メモにとっていたのは、
息子や母と過ごした大切な思い出を永遠に残したったののでは?
ふと今日そう思ったら泣けてしましました。
僕はあの旅行の後、海外旅行にドップリと漬かり、旅行の時は必ず
手帳を携帯していますが、旅行前はいろいろタイムスケジュール等
書いていきますが、旅行中の記入は未だ一日で途絶えております
やっぱ誰にとっても父親はは偉大なものですね!!
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